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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻1号

2018年01月発行

文献概要

症例報告

皮膚Rosai-Dorfman病の1例

著者: 北村(柴田)真悠12 山田茂憲2 川上千佳2 椋本祥子2 岡田悦子1 中村元信1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科学教室 2九州労災病院皮膚科

ページ範囲:P.41 - P.45

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要約 62歳,女性.数日前から両側季肋部に表皮と連続性のある硬い皮下結節を自覚し受診した.皮膚生検では脂肪織炎の所見で経過観察とした.初診から2年後に再生検し,皮下脂肪織を中心に形質細胞様細胞のびまん性浸潤やリンパ濾胞を認めた.皮下結節を全摘出したところ,CD68陽性,S100蛋白陽性,CD1a陰性の大型の組織球の増殖とemperipolesisを認めた.皮膚以外の臓器病変や検査異常を認めず,皮膚Rosai-Dorfman病と診断した.2度の生検では非特異的所見であったが,全摘出標本の仔細な検討により確定診断に至った.本邦における皮膚Rosai-Dorfman病は調べえた限り25例と少数で,その臨床所見もさまざまである.原因や治療法は確立されていないが,経過は良好だった.今後,さらに皮膚Rosai-Dorfman病の症例が蓄積され,治療法が確立されることが待たれる.

参考文献

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12) 池田大志,他:臨皮 66:904, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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