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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻1号

2018年01月発行

症例報告

広範囲な皮膚潰瘍を生じ著明な好酸球浸潤を伴った白血球破砕性血管炎の1例

著者: 川本友子1 廣畑彩希1 坂本幸子1 西野洋輔1 池上隆太1

所属機関: 1独立行政法人地域医療推進機構大阪病院皮膚科

ページ範囲:P.47 - P.51

文献概要

要約 78歳,男性.初診の9日前,足背に紅斑を自覚.数日の経過で皮疹は急激に拡大し,両前腕,臀部,両下肢に大小の紫斑,水疱を生じ,黒色痂疲を付す広範囲な潰瘍も出現した.同時に発熱,頻回の下痢,全身倦怠感を認め入院した.病理組織学的には脱顆粒を示す著明な好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎を認めた.血管炎に対し,メチルプレドニゾロンによるステロイドハーフパルスを施行したところ症状は速やかに終息,現在ステロイドを漸減しているが再燃なく経過している.鑑別診断として,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,IgA血管炎,薬剤性血管炎,また経過中に早期胃癌が発覚したことから腫瘍関連血管炎を鑑別に挙げた.

参考文献

1) 厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班:皮膚症状からみた血管炎診療の手引き,金原出版株式会社,p6,2013
2) Chen KR, et al:J Dermatol 19:40, 1992
3) Sasaki A, et al:Acta Pathol Jpn 38:781, 1988
4) Helander SD, et al:Acta Derm Venereol 75:125, 1995
5) Mebazaa A, et al:Acta Dermatoven Alp Pannonica Adriat 19:21, 2010
6) 陳 科榮:Derma 94:43, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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