臨床皮膚科72巻10号

2018年09月発行

症例報告

イマチニブにより緊満性水疱を生じた1例

著者： 青山久美¹ 山中正義¹ 磯田淳²

所属機関： ¹独立行政法人国立病院機構渋川医療センター皮膚科 ²独立行政法人国立病院機構渋川医療センター血液内科

ページ範囲：P.759 - P.762

要約　72歳，男性．慢性骨髄性白血病に対しイマチニブを開始した半年後より手背，指背に緊満性水疱を生じるようになった．抗BP180抗体陰性で，病理組織学的所見よりイマチニブにより生じた緊満性水疱と診断した．イマチニブは多標的キナーゼ阻害剤に分類される分子標的薬で，慢性骨髄性白血病の第一選択薬である．イマチニブは多彩な皮膚障害を生じることで知られているが，自験例のように緊満性水疱を生じた報告は稀である．皮疹が出現した機序として，KITチロシンキナーゼによる基底細胞の障害と考えた．

参考文献

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