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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻10号

2018年09月発行

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文献紹介 Spitz母斑のダーモスコピー所見とその管理 フリーアクセス

著者: 太田志野1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.798 - P.798

文献概要

 良性腫瘍であるSpitz母斑と悪性黒色腫はいずれもSpitz様の臨床像やダーモスコピー所見を呈すため,臨床的な鑑別や管理に関して臨床医の中でいまだに議論が分かれている.加えて,組織学的にSpitz母斑か悪性黒色腫か診断できない腫瘍(atypical Spitz tumour:AST)も存在する.本研究はSpitz母斑のダーモスコピー所見の分類を最新化し,Spitz様病変の管理方法を提案することを目的とした.
 Spitz母斑のダーモスコピー所見について述べられた15の文献を分析した結果,Spitz母斑のパターンは色,構造が左右対称であり,主なダーモスコピー所見はstarburst pattern(51%),規則的なdotted vessels(19%),網状脱色素を伴うglobular pattern(17%)であった.Spitz様病変の中で年齢が高い場合や,結節性病変の場合に悪性黒色腫である確率が上がることも示された.すなわち,左右対称性のSpitz様病変が悪性黒色腫である確率は12歳未満ではきわめて稀なのに対し12歳以上30歳未満では7%,50歳以上では50%と上昇した.さらに,平坦病変では12%であるのに対し結節性病変では32%であった.

参考文献

Lallas A, et al:Update on dermoscopy of Spitz/Reed naevi and management guidelines by the International Dermoscopy Society. Br J Dermatol 177:645-655, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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