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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻10号

2018年09月発行

文献概要

症例報告

右鼻翼部に生じた皮膚限局性結節性アミロイドーシスの1例

著者: 小林佑佳1 小澤健太郎1 森清2 爲政大幾13

所属機関: 1国立病院機構大阪医療センター皮膚科 2国立病院機構大阪医療センター臨床検査科 3大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科

ページ範囲:P.821 - P.825

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要約 50歳,男性.1年前から右鼻翼部に徐々に増大する結節を自覚し,紹介受診した.初診時,右鼻翼部に径1cm大で表面に凹凸を伴う紅褐色の結節を認めた.皮膚生検HE染色では,真皮から皮下組織にかけて淡紅色の無構造物質を認め,direct fast scarlet(DFS)染色および抗AL(κ)抗体による免疫染色で陽性であり,無構造物質の周囲にリンパ球,形質細胞,組織球が散見された.全身検索により全身性アミロイドーシスは否定され,皮膚限局性結節性アミロイドーシスと診断した.本症は皮疹と病理組織像のみでは全身性アミロイドーシスと鑑別できないため,全身検索が必要である.また稀な疾患であり,確立された治療法はない.一般的に予後良好であることから,整容面を考えて最小限の外科的切除を行うことを推奨する.また切除後も異常増殖する形質細胞を完全に切除できていない可能性もあることから,再発については経過観察が必要と思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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