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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻12号

2018年11月発行

文献概要

症例報告

急性に進行した若年性Behçet病の2例

著者: 山東優1 森聖1

所属機関: 1名鉄病院皮膚科

ページ範囲:P.957 - P.963

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要約 症例1:14歳,女児.発熱を契機に,口腔内潰瘍,外陰部潰瘍,四肢の結節性紅斑様皮疹が数日以内に次々と出現した.CRP高値,病理組織像を踏まえBehçet病と診断した.ステロイド投与開始後翌日には解熱し,CRPや皮膚症状も改善しステロイド漸減し中止後も現時点で6年間の再発を認めていない.症例2:18歳,女性.腹痛と発熱を契機に結節性紅斑様皮疹,毛囊炎様皮疹,外陰部潰瘍,関節痛が約1週間以内に次々と出現した.CRP高値,病理組織像からBehçet病と診断した.ステロイド投与なく解熱し,CRPや皮膚症状も改善していった.その後現時点で6年間の再発を認めていない.若年発症のBehçet病は稀であり,症例の報告とともに成人発症例と比較しその差異について若干考察を加えた.若年発症ならではの鑑別疾患があり,特に思春期に発熱と陰部潰瘍,口腔内アフタを呈する場合にLipschütz潰瘍との鑑別が重要となる.鑑別に自己唾液によるプリックテストも有用となる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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