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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻12号

2018年11月発行

文献概要

症例報告

下口唇に生じた青色母斑の1例

著者: 井上剛1 荒川伸之2 天野博雄2 赤坂俊英3

所属機関: 1かづの厚生病院皮膚科 2岩手医科大学皮膚科学教室 3北上済生会病院皮膚科

ページ範囲:P.977 - P.981

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要約 53歳,女性.高校生の時より下口唇に青褐色斑を自覚していた.下口唇右側に3×2mmの境界明瞭な青黒色斑がみられた.切除後の病理組織像から通常型青色母斑と診断した.下口唇の青色母斑の報告例は少なく,5例のみであった.発症年齢は30歳台頃からが多いと言われるが,幼小児期発症例もある.口唇に発生した青色母斑の分類はなく,皮膚における分類を準用している報告が多くみられ,自験例は過去の報告と同様に真皮メラノサイトが粘膜上皮直下から粘膜固有層中層までに増殖しており,浅在性通常型青色母斑であった.統計的にみると粘膜部に発症した青色母斑は浅在性のものが多い可能性がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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