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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻12号

2018年11月発行

症例報告

結節性硬化症に伴ったfolliculocystic and collagen hamartomaの1例

著者: 松田真由子1 山﨑修1 杉本佐江子1 梅村啓史1 大塚正樹1 加持達弥1 山田潔2 岩月啓氏1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学分野 2岡山大学病院形成外科

ページ範囲:P.983 - P.987

文献概要

要約 24歳,女性.8歳時からてんかん発作,顔面の血管線維腫,シャグリンパッチ,脳室周囲に石灰化を認め,近医にて結節性硬化症としててんかんの治療をされていた.2014年2月に腎臓の血管筋脂肪腫の破裂・出血で救急入院し,入院中に生下時よりある左頭頂部腫瘤について当科を受診した.4×7cm大の弾性軟で広基性隆起する淡紅色腫瘤を認め,多数の面皰と束状の硬毛を伴っていた.同年8月に腫瘍切除術を施行した.真皮全層〜皮下組織に肥厚した膠原線維と血管の増生,ケラチンが充満した囊腫構造を認め,Torreloらが提唱したfolliculocystic and collagen hamartomaと考えた.近年,知能低下,けいれん発作,顔面の血管線維腫という古典的三主徴の頻度は必ずしも高くなく,このような疾患概念についても認識しておく必要がある.

参考文献

1) Lowell A, et al:Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine, 8th ed, McGraw-Hill, New York, p1671, 2012
2) Torrelo A, et al:J Acad Am Dermatol 66:617, 2012
3) An JM, et al:Ann Dermatol 27:593, 2015
4) Wataya-Kaneda M, et al:PLoS One 8:e63910, 2013
5) Brown MM, et al:Pediatr Dermatol 31, 249, 2014
6) 金田眞理:日皮会誌 125:2267, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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