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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻12号

2018年11月発行

文献概要

症例報告

後爪郭に限局したmalignant melanoma in situ—ダーモスコピーでpigmented Bowen's diseaseを考えた1例

著者: 星野雄一郎1 貞安杏奈1 渡邉荘子1 我妻恭子1 石崎純子1 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科

ページ範囲:P.989 - P.992

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要約 44歳,女性.右中指後爪郭に径5.0×5.0mmで濃淡のある不整形の黒色斑を自覚した.ダーモスコピー所見ではpigmented Bowen's diseaseで高頻度にみられるbrown dots/globulesやscaly surfaceがともにみられ,malignant melanomaでみられることの多いstreaksやatypical pigmented networkははっきりしなかったことから,臨床診断はpigmented Bowen's diseaseを考えた.病理組織学的所見でmalignant melanoma in situと診断した.Malignant melanomaの手指症例では爪部に所見のない例は少ないが,Bowen's diseaseの手指症例では爪部以外の頻度が高い.過去10年間の本邦報告例や当科経験例を検討したが,後爪郭に限局するmalignant melanomaの報告例はなかった.

参考文献

1) 黒岡定浩,他:皮膚病診療 34:506, 2012
2) 藤澤康弘,他:Skin Cancer 23:267, 2009
3) 泉 美貴,大原國章:病理と臨床 25:1252, 2007
4) 堀江啓太,他:Skin Cancer 26:354, 2012
5) 大貫瑠璃,他:皮膚臨床 58:742, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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