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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻2号

2018年02月発行

今月の症例

環状丘疹性梅毒疹の1例

著者: 八谷美穂1 田中諒1 石井奏憲2 齋藤京1

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科 2医療法人社団すみれ会石井クリニック

ページ範囲:P.104 - P.108

文献概要

要約 23歳,男性.半年前から同性間性交渉があり,初診2か月前から,陰囊と陰茎に中心治癒傾向があり,辺縁に拡大する環状丘疹を多数認めた.梅毒血清反応と,病理組織像および抗スピロヘータ抗体を用いた免疫染色から,環状丘疹性梅毒疹と診断した.アモキシシリン内服後,皮疹は速やかに消退した.環状丘疹性梅毒疹の病名での本邦報告例は自験例を含め6例と少ない.報告例では男性が多く,年齢は20〜40歳,発症部位は外陰部のみならず頭部から軀幹までさまざまであった.国内外の統計的な報告でも,梅毒疹が環状皮疹を呈することは比較的稀であるとされていた.一方で,ここ数年,本邦の梅毒患者の増加率はきわめて高く,非特異的な環状皮疹を見た際に,鑑別疾患として梅毒を念頭に置くことが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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