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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻3号

2018年03月発行

症例報告

円板状エリテマトーデスから進展したと考えられた深在性エリテマトーデスの1例

著者: 村山梓1 石氏陽三1 簗場広一1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.215 - P.220

文献概要

要約 37歳,女性.約9年前の妊娠後期より左腰部に表面光沢を伴う紅色局面が出現し,約7年前に当科を受診した.病理組織像で,表皮の液状変性,真皮のムチン沈着,真皮の血管および付属器周囲に巣状の密なリンパ球浸潤を認め,円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus:DLE)と診断した.ステロイド軟膏外用にて一時軽快したが,約3か月前より同部位に皮下硬結が出現した.病理組織像で,以前のDLEの変化に加え,真皮から皮下脂肪織にかけてびまん性に,結節状の密な炎症細胞浸潤を認め,lobular panniculitis,石灰化を認めた.深在性エリテマトーデス(lupus erythematosus profundus:LEP)と診断し,プレドニゾロン20mg/日の内服を開始した.3週間後に皮下硬結は改善を認めたため,プレドニゾロンを漸減し,6か月で内服を中止した.その後は再燃を認めていない.DLEにおいて,強く炎症細胞浸潤を呈す場合には,LEPに進展する可能性があると考えた.

参考文献

1) Tuffanelli DL:Arch Dermatol 103:231, 1971
2) Irang S:Arch Dermatol Syph 42:97, 1940
3) 衛藤 光:日皮会誌 118:2568, 2008
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5) 平井義男:日皮会誌 67:791, 1957
6) 土田哲也,他:皮膚臨床 32:1139, 1990
7) 松田聡子,他:臨皮 59:1258, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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