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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻3号

2018年03月発行

文献概要

症例報告

液状変性が明らかであり円板状エリテマトーデスとの鑑別を要した剣創状強皮症の1例

著者: 伊藤祐太1 簗場広一1 中川秀己1 伊東秀記2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2立川皮膚科クリニック

ページ範囲:P.221 - P.224

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要約 55歳,男性.当院初診3か月前より前額部の線状紅斑が出現し,徐々に下方へ拡大したため前医を受診した.剣創状強皮症を疑い皮膚生検を施行したところ,病理組織学的に液状変性が著明である一方,線維化の所見はみられないことから,剣創状強皮症よりも皮膚エリテマトーデスを疑う所見であった.1か月後に当科を紹介され受診し,再度皮膚生検を施行したところ,液状変性とともに真皮中下層の膠原線維の膨化・増生を認めたため,剣創状強皮症と診断した.プレドニゾロン15mg/日の内服を開始したところ,皮疹は軽度の萎縮・陥凹を残し消退した.剣創状強皮症は治療が遅れた場合には不可逆的な変形を残すことから,早期診断と治療介入が重要であり,早期病変では線維化像よりも液状変性が顕著である場合も存在することを念頭に置く必要があると考えた.

参考文献

1) 浅野善英,他:日皮会誌 126, 2039, 2016
2) 尹 浩信:Derma 176:17, 2011
3) Fett N, Werth VP:J Am Acad Dermatol 64:217, 2011
4) Taniguchi T, et al:J Eur Acad Derm Venereol 28:1805, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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