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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻3号

2018年03月発行

文献概要

症例報告

2つの結節から成るpigmented eccrine poromaの1例

著者: 川島裕平1 大方詩子1 宮川俊一1

所属機関: 1川崎市立川崎病院皮膚科

ページ範囲:P.244 - P.248

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要約 82歳,女性.10年前より自覚した腰部の皮疹が徐々に増大し,家族に指摘されて受診した.左腰部に20×14mm大で広基性の黒色結節と,15×14mm大のドーム状に隆起した黒褐色結節が隣接していた.両結節は同一の紅色局面で取り囲まれた.ダーモスコピー所見では,どちらの結節も青白色網目状構造(whitish blue network)が主体で,一部血管拡張を認めた.結節周囲の紅色局面は淡紅白色網目状構造(whitish pink network)を呈した.病理組織像では,両結節ともporoid cellが表皮から連続して真皮内に索状に増生し,胞巣を形成していた.腫瘍胞巣内にはメラニン沈着を認め,cuticular cellが裏打ちする管腔構造もみられた.一方の結節では偽角質囊腫がみられ脂漏性角化症が鑑別になったが,ダーモスコピー所見,病理組織像から両結節ともにpigmented eccrine poromaと診断した.Pigmented eccrine poromaの診断には,ダーモスコピー所見,病理組織所見を総合的に検討することが重要である.

参考文献

1) 伊東慶悟,他:日皮会誌 119:173, 2009
2) 山川千尋,他:臨皮 67:747, 2013
3) 玉置邦彦,他:最新皮膚科学大系,第12巻,中山書店,p177, 2002
4) 伊東慶悟,他:日皮会誌 118:2429, 2008
5) Abenoza P, Ackerman AB:Neoplasms with eccrine differentiation, Lea and Febiger, Philadelphia, p113, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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