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増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018 1.最近話題の皮膚疾患
自己炎症性角化症
著者: 秋山真志1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
ページ範囲:P.11 - P.15
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2017年,われわれは自己炎症性発症メカニズムを有する種々の炎症性角化症を包括する新規疾患概念として,「自己炎症性角化症(autoinflammatory keratinization diseases:AIKD)」を提唱した.AIKDは以下,①〜④によって定義される.①疾患発症の起因であり,かつ,主となる炎症の部位は表皮と真皮浅層である,②その表皮,真皮浅層の炎症が本疾患の特徴である過角化を引き起こす,③表皮と真皮浅層における自然免疫系の過剰活性化(自己炎症)と関連する遺伝的発症因子を有している,④本疾患概念は,発症機序が自己炎症単独であるものに限らず,自己炎症的機序と自己免疫的機序の協調的な機序を有するものも含むが,本疾患の一次的で主となる機序は自己炎症である.現時点で,AIKDに含まれる疾患には,汎発性膿疱性乾癬とその類症としての疱疹状膿痂疹,稽留性肢端皮膚炎等,毛孔性紅色粃糠疹のⅤ型,家族性keratosis lichenoides chronicaがある.今後,AIKDに含まれる疾患がさらに多くなることが予想される.
2017年,われわれは自己炎症性発症メカニズムを有する種々の炎症性角化症を包括する新規疾患概念として,「自己炎症性角化症(autoinflammatory keratinization diseases:AIKD)」を提唱した.AIKDは以下,①〜④によって定義される.①疾患発症の起因であり,かつ,主となる炎症の部位は表皮と真皮浅層である,②その表皮,真皮浅層の炎症が本疾患の特徴である過角化を引き起こす,③表皮と真皮浅層における自然免疫系の過剰活性化(自己炎症)と関連する遺伝的発症因子を有している,④本疾患概念は,発症機序が自己炎症単独であるものに限らず,自己炎症的機序と自己免疫的機序の協調的な機序を有するものも含むが,本疾患の一次的で主となる機序は自己炎症である.現時点で,AIKDに含まれる疾患には,汎発性膿疱性乾癬とその類症としての疱疹状膿痂疹,稽留性肢端皮膚炎等,毛孔性紅色粃糠疹のⅤ型,家族性keratosis lichenoides chronicaがある.今後,AIKDに含まれる疾患がさらに多くなることが予想される.
参考文献
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