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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻5号

2018年04月発行

文献概要

Derm.2018

プライマリ・ケア

著者: 帆足俊彦1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科

ページ範囲:P.25 - P.25

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 日常診療で患者さんに,調子が悪くなったら予約日を待たないで来てもらっていいですよ,と言うことがよくある.アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬だったら皮疹の予想外の増悪,蜂窩織炎なら抗生剤が思ったように効かないとか症状の再燃を大体想定しているし,患者さんもおそらくそう思っている.悪性腫瘍だったら再発,転移に伴う症状や,抗悪性腫瘍薬を投与している場合ならそれによって引き起こされるさまざまな副作用を想定している.特に悪性腫瘍の場合は症状がさまざまで一言で言えない場合が多いので,調子悪くなったら来て,と曖昧な表現を好んで使う.
 つい先日,悪性黒色腫で免疫チェックポイント阻害薬を投与中の患者さんが,調子が悪くなったのでと家族が連れてきた.2週間前にインフルエンザと近医で診断されて,内服して多少良くなったけどまだ元の感じにならない.いつもは杖をついて歩いて診察室に入ってくるのに,今日はベッドの上に寝ている.顔色が悪く,精気がない.家族は一大事と思ってか入院させる気が満々だ.免疫チェックポイント阻害薬の副作用か? この人ITP(特発性血小板減少性紫斑病)にもなってたよなあ.悪性黒色腫の急速な進行か? 1,2か月前のPETでは特に何もなかったなあ.採血したり,X線を撮ったり,内科の先生にコンサルトしたりして,ついた診断は誤嚥性肺炎だった.抗生剤投与で軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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