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増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
2.皮膚疾患の病態
文献概要
summary
コリン性蕁麻疹は,アセチルコリン(acetylcholine:Ach)によって誘導されるためにこの疾患名がついている.そのメカニズムに関して,Achの直接作用によって肥満細胞が脱顆粒し点状膨疹を生じる機序と,Achによって発汗が促され,汗管閉塞などにより汗が真皮に漏出し,汗アレルギーによって膨疹が形成される間接機序とが考えられる.前者機序の代表が,減汗性コリン性蕁麻疹であり,汗アレルギーがなく,汗腺上皮細胞のAch受容体発現が低下している.後者の機序は,以前より考えられていた説であり,汗中のアレルゲンとしてマラセチアの菌体成分が提唱されている.
コリン性蕁麻疹は,アセチルコリン(acetylcholine:Ach)によって誘導されるためにこの疾患名がついている.そのメカニズムに関して,Achの直接作用によって肥満細胞が脱顆粒し点状膨疹を生じる機序と,Achによって発汗が促され,汗管閉塞などにより汗が真皮に漏出し,汗アレルギーによって膨疹が形成される間接機序とが考えられる.前者機序の代表が,減汗性コリン性蕁麻疹であり,汗アレルギーがなく,汗腺上皮細胞のAch受容体発現が低下している.後者の機序は,以前より考えられていた説であり,汗中のアレルゲンとしてマラセチアの菌体成分が提唱されている.
参考文献
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