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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻5号

2018年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018

2.皮膚疾患の病態

遺伝性角化症における復帰変異

著者: 武市拓也1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院皮膚科

ページ範囲:P.51 - P.54

文献概要

summary
Ichthyosis with confetti(IWC,別名congenital reticular ichthyosiform erythroderma)とは,全身の皮膚にさまざまな程度の過角化,鱗屑を認める疾患である.“confetti”と呼ばれる白色皮膚部分が,加齢とともに全身に増えてくることがこの疾患の大きな特徴である.この白色皮膚部分では,体細胞組換えにより病因遺伝子変異が消失し,いわゆる「自然治癒」が起きていると考えられている.われわれは,この自然治癒を起こす病態を解明するために,IWC家系の組織を用いて,whole-exome sequenceなどの詳細な病態解析を行った.その結果,過去に報告のない,KRT1遺伝子のイントロン1からイントロン5までを含む2209塩基の欠失変異を同定した.本研究により,KRT1遺伝子の広範囲欠失変異により,IWCを引き起こすことが証明された.

参考文献

1) Takeichi T, et al:J Invest Dermatol 137:2344, 2017
2) Takeichi T, et al:Exp Dermatol 22:825, 2013
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7) Takeichi T, et al:J Invest Dermatol 136:2095, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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