文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
3.新しい検査法と診断法
文献概要
summary
近年,梅毒におけるTP抗体検査の自動化が普及しつつあり,また用いられる抗体も改良され,迅速性・安全性・特異性が飛躍的に向上した.その結果,従来から行われてきた用手法による脂質抗原法とTP抗体検査との組み合わせによる血清学的結果の解釈が変わりつつある.多くの成書では,RPRの陽転化がTP抗原の陽転化に先んずるとされているが,最近はTP特異IgM抗体と反応性が高いTPLA試薬が使用されるようになり,window periodが短縮し,脂質抗原法の陽転化よりもTP抗原が早期に検出されることが明らかとなった.そのため,実際には早期梅毒であっても従来の既感染パターンと同一の定量結果となり,血清学的解釈に苦慮する場合も多い.臨床症状から早期梅毒を疑った場合は,血清学的検索だけでなく皮膚症状など臨床所見も合わせて総合的に診断する必要がある.
近年,梅毒におけるTP抗体検査の自動化が普及しつつあり,また用いられる抗体も改良され,迅速性・安全性・特異性が飛躍的に向上した.その結果,従来から行われてきた用手法による脂質抗原法とTP抗体検査との組み合わせによる血清学的結果の解釈が変わりつつある.多くの成書では,RPRの陽転化がTP抗原の陽転化に先んずるとされているが,最近はTP特異IgM抗体と反応性が高いTPLA試薬が使用されるようになり,window periodが短縮し,脂質抗原法の陽転化よりもTP抗原が早期に検出されることが明らかとなった.そのため,実際には早期梅毒であっても従来の既感染パターンと同一の定量結果となり,血清学的解釈に苦慮する場合も多い.臨床症状から早期梅毒を疑った場合は,血清学的検索だけでなく皮膚症状など臨床所見も合わせて総合的に診断する必要がある.
参考文献
) 厚生労働省/国立感染症研究所:IASR 36:1, 2015
2) 日本性感染症学会:性感染症 診断・治療ガイドライン,p46, 2016
3) 大里和久:皮膚臨床 41:999, 1999
4) 大里和久,他:日性感染症会誌 13:124, 2002
5) 古林敬一:日性感染症会誌 22:114, 2011
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7) 金城 徹,他:日臨検自動化会誌 30:257, 2005
8) 福長美幸,他:日皮会誌 127:1771, 2017
9) 齋藤万寿吉:Prog Med 35:1869, 2015
掲載誌情報