icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻5号

2018年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018 4.皮膚疾患治療のポイント

乳児血管腫に対するパルスダイレーザー療法とプロプラノロール療法の適応

著者: 遠藤英樹1

所属機関: 1近畿大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.138 - P.142

文献購入ページに移動
summary
乳児血管腫は従来より自然治癒が期待できるとされており,学童期までに多くは縮小,消退する.しかし,増大の程度が大きい症例では退縮後,多少の皮膚のたるみ,しわを呈し,醜形を残してしまう症例もある.大きさのピークを迎える生後6〜12か月後までに増大を抑制し有効性が高いことから,従来から早期のパルスダイレーザー照射が勧められてきた.最近,2008年に報告されたプロプラノロール療法が欧米では治療の第一選択となっており,本邦でも国内での臨床試験において日本人乳児血管腫患者に対する有効性および安全性が確認され,2016年7月に製造販売承認された.視力障害や哺乳障害を起こしえるような眼瞼や鼻部の症例,顔面の広範囲症例などに効果が期待されている.症例の個人差が大きい乳児血管腫に対し,両治療の方針を家族に説明・相談し,両治療をうまく選択していくことが重要である.

参考文献

1) Wassef M, et al:Pediatrics 136:e203, 2015
2) Hunzeker CM, Geronemus RG:Dermatol Surg 36:590, 2010
3) Rizzo C, et al:Dermatol Surg 35:1947, 2009
4) 大城貴史 他:日レ医誌 36:2015
5) Léauté-Labrèze C, et al:N Engl J Med 358:2649, 2008
6) Xie W, et al:Br J Dermatol 168:739, 2013
7) Ji Y, et al:J Pediatr Surg 47:2216, 2012
シロップ小児用0.375%)マルホ株式会社,2016
9) Endo H, et al:J Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications 3:216, 2013
10) Glassberg E, et al:J Dermatol Surg Oncol 15:1214, 1989
11) Batta K, et al:Lancet 360:521, 2002
12) Kono T, et al:Lasers Surg Med 38:112, 2006
13) Marqueling AL, et al:Pedatr Dermatol 30:182, 2013
14) Moyakine AV, et al:J Am Acad Dermatol 75:59, 2016
15) Kagami S, et al:Eur J Pediatr 172:1521, 2013
16) Reddy KK, et al:Dermatol Surg 39:923, 2013
17) Ehsani AH, et al:Archi Iran Med 17:657, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?