文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
4.皮膚疾患治療のポイント
進行期悪性黒色腫における抗PD-1抗体投与下の白斑出現と臨床効果との関連
著者: 中村泰大12
所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科 2埼玉医科大学国際医療センター皮膚科
ページ範囲:P.143 - P.146
文献概要
近年登場した免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体は,従来ダカルバジン一辺倒であった進行期悪性黒色腫の治療成績を大きく改善した.抗PD-1抗体にて劇的に奏効して長期生存する症例が存在する反面,本剤を投与してもまったく効果が得られない症例も少なくない.そのため,現在抗PD-1抗体の奏効例・無効例を早期に見分けるバイオマーカーの探索が世界中で研究されている.一方,抗PD-1抗体使用例が増加するに伴い,本剤投与下の白斑発生は臨床効果を反映すると考えられる症例が徐々に集積しており,実際いくつかの症例集積研究も報告されている.本稿では進行期悪性黒色腫における抗PD-1抗体下の白斑出現と臨床効果の関連につき概説し,臨床的バイオマーカーとしての可能性につき言及する.
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