icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻5号

2018年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018 5.皮膚科医のための臨床トピックス

TNFAIP3(A20)ハプロ不全による家族性Behçet病

著者: 門脇朋範1 大西秀典1

所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学

ページ範囲:P.152 - P.155

文献購入ページに移動
summary
TNFAIP3遺伝子がコードする分子A20はTNF-αのシグナル伝達経路を抑制性に制御する分子である.2015年にZhouらがこの遺伝子のハプロ不全変異により常染色体優性遺伝形式で若年発症するBehçet病様の疾患として,A20ハプロ不全症(HA20)を報告した.その後国内から3家系,海外から2家系の追加報告がなされている.HA20はBehçet病様症状のみではなく,複数の自己免疫疾患の合併を生じるなど多彩な症状を有する症例も報告されている.新規疾患であるため有効な治療法は未解明であり各施設で試行錯誤されているが,無治療経過観察で対応可能な症例から,寛解のために抗TNF-α製剤などの分子標的薬が必要な重症例もあるなどさまざまである.本稿ではHA20について,現在までの報告を基に臨床症状,検査,治療,注意すべき合併症などについて概説する.

参考文献

1) Zhou Q, et al:Nat Genet 48:67, 2016
2) Ohnishi H, et al:Allergol Int 66:146, 2017
3) Shigemura T, et al:RMD Open 2:e000223, 2016
4) Takagi M, et al:J Allergy Clin Immunol 139:1914, 2017
5) Duncan CJA, et al:Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2016-210944. 2017
6) Omoyinmi E, et al:PLoS One 12:e0181874, 2017
7) Sakane T, et al:N Engl J Med 341:1284, 1999
8) Ma A and Malynn BA:Nat Rev Immunol 12:774, 2012
9) Gaffen S L, et al:Nat Rev Immunol 14:585, 2014
10) Kadowaki T, et al:J Allergy Clin Immunol doi:10.1616/j.jaci.2017.10.039. 2017
11) Aksentijevich I and Zhou Q:Front Immunol 8:399, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?