文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
5.皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
summary
南米原産のヒアリが2017年に国内で初めて輸入貨物内で確認された.ヒアリは尾端部に毒針を有しており,刺されるとアルカロイド毒であるソレノプシンの作用で激しい疼痛や無菌性膿疱を生じる.この症状に対してはステロイド外用薬で対応する.また,ハチ毒との類似性が指摘されている蛋白毒に対する感作が成立していれば,アレルギー反応でアナフィラキシーを生じる可能性もあり,ショック症状に対してはアドレナリンの投与を行う.ヒアリが国内に定着するのか今後の継続調査が必要であるが,ヒアリに関する正しい知識と対応が皮膚科医に要求される.また,刺すアリとしてヒアリだけでなく,国内に生息するオオハリアリにも注意が必要である.
南米原産のヒアリが2017年に国内で初めて輸入貨物内で確認された.ヒアリは尾端部に毒針を有しており,刺されるとアルカロイド毒であるソレノプシンの作用で激しい疼痛や無菌性膿疱を生じる.この症状に対してはステロイド外用薬で対応する.また,ハチ毒との類似性が指摘されている蛋白毒に対する感作が成立していれば,アレルギー反応でアナフィラキシーを生じる可能性もあり,ショック症状に対してはアドレナリンの投与を行う.ヒアリが国内に定着するのか今後の継続調査が必要であるが,ヒアリに関する正しい知識と対応が皮膚科医に要求される.また,刺すアリとしてヒアリだけでなく,国内に生息するオオハリアリにも注意が必要である.
参考文献
1) 東 正剛,他:ヒアリの生物学—行動生態と分子基盤,海游舎,2008
2) Steigelman DA, Freeman TM:Ann Allergy Asthma Immunol 111:242, 2013
3) Potiwat R, Sitcharungsi R:Asian Pac J Allergy Immunol 33:267, 2015
4) 夏秋 優:臨床免疫・アレルギー科 51:132, 2009
5) 夏秋 優:J Visual Dermatol 16:1108, 2017
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