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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻6号

2018年05月発行

文献概要

症例報告

潰瘍性大腸炎に合併したsuperficial granulomatous pyodermaと考えた1例

著者: 日置智之1 牧田澄子1 柴田章貴1 水島隆史2

所属機関: 1岐阜県立多治見病院皮膚科 2岐阜県立多治見病院消化器内科

ページ範囲:P.403 - P.407

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要約 65歳,女性.23年前より潰瘍性大腸炎にて治療中であった.プレドニゾロン(PSL)30mg/日内服より漸減,中止後より消化器症状が悪化した.同時期より右大腿と右下腿部に有痛性の紅斑,膿疱,腫脹が出現した.辺縁部からの皮膚病理組織所見では表皮内の海面状態を伴う好中球浸潤,顆粒層・基底膜の不明瞭化,表皮下の膿瘍形成を認め,superficial granulomatous pyoderma(SGP)と診断した.PSL 30mg/日の内服を再開したところ,皮膚症状は著明に改善し,約2週間後に完全に上皮化した.SGPは近年本邦でも報告が増加している疾患で,稀ではあるが潰瘍性大腸炎にもSGPを合併する場合があるため,注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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