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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻7号

2018年06月発行

文献概要

症例報告

Basedow病を合併した尋常性白斑の1例

著者: 川村美保1 水谷陽子1 周円1 飯塚勝美2 清島真理子1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科 2岐阜大学医学部糖尿病代謝内科

ページ範囲:P.519 - P.523

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要約 19歳,男性.約1年前より背部,腰部,両下腿に白斑が出現し増加したため当科を受診した.腰部に両側性,帯状に母指頭大から鶏卵大の境界不明瞭な白斑が散在し,両下腿には直径2〜20mmの境界明瞭な白斑が多数みられた.腰部の白斑部と色素沈着部を含めた皮膚を生検した.病理組織所見で,白斑部では表皮内のメラニンおよびメラノサイトが減少していた.また初診時採血でFT3・FT4が高値,TSHが低値であったため甲状腺機能亢進症を疑った.内分泌内科で精査の結果,Basedow病と診断し,チアマゾールの内服を開始した.白斑には週1回のナローバンドUVB治療を開始した.尋常性白斑には種々の自己免疫疾患が合併し,中でも甲状腺疾患の合併が多い.過去の報告を考慮すると,特に面積の大きい非分節型白斑の場合には甲状腺機能や他の自己免疫疾患の合併の有無を評価することが大切と考えた.

参考文献

1) 堀川達弥,他:最新皮膚科学大系,第9巻,玉置邦彦,他(編),中山書店,p172, 2002
2) Gill L, et al:J Am Acad Dermatol 74:295, 2016
3) Ferrari SM, et al:Autoimmun Rev 16:946, 2017
4) Narita T, et al:Allergol Int 60:505, 2011
5) Bae JM, et al:J Am Acad Dermatol 76:871, 2017
6) Wiersinga WM:Neth J Med 46:197, 1995
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9) Prindaville B, et al:Int J Pediatr Eudocrinol 2011:18, 2011
10) 川地慎一,他:糖尿病 42:49, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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