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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻7号

2018年06月発行

症例報告

痕跡的多指症と鑑別を要した後天性指趾被角線維腫の1例

著者: 張財源1 今井慎2 坂元花景3 小西啓介4 沼尻敏明5

所属機関: 1京都市立病院皮膚科 2太秦天神川駅前いまい皮フ科クリニック 3西陣病院皮膚科 4小西皮膚科クリニック 5京都府立医科大学外科学教室形成外科

ページ範囲:P.525 - P.530

文献概要

要約 58歳,男性.初診の約20年前から左第5趾先端に皮膚腫瘤が出現し,緩徐に増大したが放置していた.正常皮膚色で22×20×12mm大の一部に過角化を伴う足趾様の皮膚腫瘤であった.臨床所見と病理組織学的所見から後天性指趾被角線維腫(acquired digital fibrokeratoma)と診断した.切除することで再発もなく予後は良好であった.本症の原因はいまだ不明であるが,反復性の微細な刺激が関与していることが推測されている.また発症部位により多種多様な形状になりうる.自験例では小趾の先端に発症し自覚症状がなかったため,長期にわたり放置され大型化し,痕跡的多指症と鑑別を要する特徴的な臨床像を呈していた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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