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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻8号

2018年07月発行

症例報告

ウコン含有化粧品による接触皮膚炎の1例

著者: 布井春佳1 関東裕美1 伊藤崇1 鷲崎久美子1 竹内常道2 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森) 2川崎幸クリニック

ページ範囲:P.574 - P.578

文献概要

要約 52歳,女性.初診の1年前から顔面に瘙痒を伴う紅斑が出現し,増悪寛解を繰り返していた.近医皮膚科で化粧品のパッチテストを実施し,美白美容液で陽性を確認後,当院に紹介された.美白美容液の成分パッチテストを施行したところ,ウコンで陽性を示し,ウコンによる接触皮膚炎と診断した.ウコンの主成分であるクルクミンは,食料品や漢方外用薬,化粧品に広く使用されている.ウコン含有漢方外用薬による接触皮膚炎の報告はあるが,ウコン含有化粧品による接触皮膚炎は本邦初である.難治性の顔面湿疹症例では,治療薬と化粧品に共通する成分が悪化因子になることもあるので,患者が使用している化粧品に加えて治療薬のパッチテストも検討すべきである.また自験例のように経口摂取する可能性のある成分を含有する化粧品が増えている現状では,積極的に原因成分まで特定する必要があるのかもしれない.それらの結果を踏まえることで適切な生活指導を行うことができる.

参考文献

1) 砂川陽一,他:Functional Food 9:23, 2015
2) 刈米達夫:最新生薬学,第6改稿版,廣川書店,p76, 1988
3) Ota M, et al:Environ Dermatol 3:357, 1996
4) Nishii K, et al:Environ Dermatol 5:130, 1998
5) Sakurane J, et al:Environ Dermatol 6:237, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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