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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻8号

2018年07月発行

文献概要

症例報告

Laugier-Hunziker-Baran症候群の2例

著者: 水野麻紀1 森桶聡1 秀道広1 田中麻衣子2

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学 2マツダ病院皮膚科

ページ範囲:P.595 - P.600

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要約 症例1:43歳,女性.41歳頃に口唇や手指に色素斑が出現,口腔粘膜にも色素斑が多発した.上口唇の色素斑の生検病理組織像では基底層のメラノサイトが軽度増加し,真皮浅層にメラノファージが散見された.メラノサイトの形態異常や母斑細胞はなかった.症例2:53歳,女性.43歳頃に口唇に色素斑が出現,手指や口腔粘膜にも生じた.下口唇の色素斑の病理組織像は症例1と同様であった.両症例ともに消化管ポリポーシスなどの他臓器病変や家族歴はなかった.以上よりLaugier-Hunziker-Baran症候群と診断した.本症は特にPeutz-Jeghers症候群との鑑別が重要であり,消化器症状の確認や必要に応じその精査が必要である.本症の色素斑のダーモスコピー所見は皮溝・皮丘パターンのどちらも呈しうるといわれている.本症に悪性黒色腫が合併した報告もあり皮丘パターンを呈する色素斑は病理組織学的検討が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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