文献詳細
文献概要
治療
酸素マスク使用後に生じた耳介上部のケロイドの手術例
著者: 田畑伸子1 谷田佳世1
所属機関: 1仙台赤十字病院皮膚科
ページ範囲:P.640 - P.644
文献購入ページに移動要約 73歳,男性.初診の約4年前,下血と胸水貯留で入院した際,酸素マスク使用中に耳介付け根上部に傷ができ,数年後に同部に巨大なケロイドを形成した.保存的な治療は難しいと考え,切除の方針とした.新たな創傷を最小限にするために,ケロイド病巣内の線維化した部分のみ切除し,残した表層を皮弁として皮膚欠損部を被覆した.術後2か月で部分的に再発傾向がみられたが,ステロイド局注を行い術後7か月まで悪化なく経過している.医療機器関連の創傷によってケロイドが発症する可能性に留意し,発症予防と早期の治癒を図ることが大切である.また,耳のケロイドに対して,後療法を併用した外科的治療が選択肢として考えられる.
参考文献
1) Marneros AG, et al:Arch Dermatol 137:1429, 2001
2) Moshref SS, Mufti ST:Med Sci 17:3, 2010
3) Aköz T, et al:Aesthetic Plast Surg 26:184, 2002
4) Gauglitz GG:Clin Cosmet Investig Dermatol 6:103, 2013
5) Sobec R, et al:Clujul Med 86:313, 2013
6) Nast A, et al:J Dtsch Dermatol Ges 10:747, 2012
7) Lindsey WH, Davis PT:Arch Otolaryngol Head Neck Surg 123:397, 1997
8) Lee Y, et al:Ann Plast Surg 46:135, 2001
9) 岩谷博篤,他:褥瘡会誌 8:492, 2006
掲載誌情報