臨床皮膚科72巻9号

2018年08月発行

症例報告

水圧式ナイフを用いてデブリードマンを行った重症熱傷の1例

著者： 近藤まや¹ 有馬豪¹ 良元のぞみ¹ 村手和歌子² 岩田洋平¹ 宮嶋尊則³ 平川昭彦⁴ 杉浦一充¹

所属機関： ¹藤田保健衛生大学医学部皮膚科 ²豊明市 ³藤田保健衛生大学医学部形成外科 ⁴藤田保健衛生大学医学部一般外科

ページ範囲：P.660 - P.664

文献概要

要約　83歳，女性．自宅全焼火災により顔面，四肢，背部に17%total body surface area(TBSA)，prognostic burn index(PBI)97.5の熱傷を受傷し当院へ救急搬送された．全身状態が落ち着いた第41病日に水圧式ナイフ(Smith ＆ Nephew社製，VERSAJET Ⅱ^®)を用いデブリードマン・植皮術を施行した．水圧式ナイフは高速の水流で創面を洗浄しつつ，壊死・感染組織を切除吸引するデブリードマン機器である．従来のメスによる施術と比較して最小切除深度が非常に浅く，また切除組織の吸引と創部洗浄を同時に行えるため効率的で質の高いデブリードマンが行えた．

参考文献

1) Klein MB, et al:J Burn Care Rehabil 26:483, 2005

2) 松村　一：医学のあゆみ 237:151, 2011

3) Cubison TC, et al:Burns 32:714, 2006

4) 浅井晶子，他：創傷 8:110, 2017

5) Kimble RM, et al:Burns 34:297, 2008

6) Caputo WJ, et al:lnt Wound J 5:288, 2008