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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻9号

2018年08月発行

文献概要

症例報告

再発や自然消退をみた多発性陰囊疣贅状黄色腫の1例

著者: 星野雄一郎1 尾立冬樹2 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2健生会立川相互病院皮膚科

ページ範囲:P.703 - P.707

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要約 68歳,男性.陰囊に有茎性桑実様紅色腫瘍を2個,その周囲に同色の結節を数個認め受診した.有茎性腫瘍と周囲の結節を切除し,ともに病理組織像にて表皮の乳頭腫状肥厚と真皮乳頭部に泡沫細胞を認め,多発性陰囊疣贅状黄色腫と診断した.4年後,陰囊の別部位に同様の有茎性腫瘍が出現し,病理組織像から疣贅状黄色腫の再発と診断した.さらに4か月後,2か所に丘疹の再発を認めた.初診時と4年後受診時の臨床所見を比較したところ,前回みられた数個の結節は消失しており,自然消退したと考えた.疣贅状黄色腫は単発例が多いが,多発例の報告が増えている.自験例は,4年後に小型病変が自然消退しており,またさらに4か月という短期間での再発を観察できた点が興味深い.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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