icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科72巻9号

2018年08月発行

文献概要

症例報告

発疹性黄色腫の1例

著者: 山本亜美1 角希里子1 天野真希1 高橋道央1 中島由美1 春山興右1 沢田泰之1

所属機関: 1都立墨東病院皮膚科

ページ範囲:P.717 - P.721

文献購入ページに移動
要約 48歳,女性.2年前に2型糖尿病,脂質異常症を指摘され治療を開始したが,約2か月で治療を自己中断していた.半年前より黄色結節が多発したため当科を受診した.初診時,臀部,四肢には数mm大程度,手掌には約1cm大までの黄色結節が多発していた.採血検査にて,HbA1c 14.4%,総コレステロール668mg/dl,LDL-コレステロール88mg/dl,トリグリセリド5,616mg/dlと高値を認めた.右手掌,右臀部から皮膚生検を施行し,病理組織像で真皮に泡沫細胞を認め,臨床症状と合わせて,2型糖尿病による二次性のV型脂質異常症に伴う発疹性黄色腫と診断した.内科的治療に伴い,黄色結節は2か月程度で色素沈着を残して平坦化した.発疹性黄色腫は高カイロミクロン血症および高TG血症に伴って出現し,コントロール不良の糖尿病に伴うことが多いため,脂質異常症や糖尿病の悪化の発見に役立つ重要な皮膚所見である.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,内分泌・代謝異常症,中山書店,p52,2003
2) 大川裕子,他:皮膚病診療 35:857, 2013
3) 武藤真悠子,他:皮膚臨床 57:266, 2015
4) 北川真希,他:皮膚病診療 34:734, 2012
5) 小竹英俊,及川眞一:臨床検査 49:1713, 2005
6) 鉾石真理子,他:皮膚臨床 55:1876, 2013
7) 山下静也:Med Practi 24:1183, 2007
8) 綾織誠人:臨床病理 64:57, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?