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患者背景からみた水疱性類天疱瘡—当科に入院した患者40人の検討
著者: 黒田桂子1 大谷稔男1
所属機関: 1倉敷中央病院皮膚科
ページ範囲:P.723 - P.727
文献購入ページに移動要約 2011年1月〜2017年8月に,水疱性類天疱瘡の患者40人が当科に入院した.性別の内訳は,男性21人,女性19人で,75歳以上の後期高齢者の占める割合が高かった.男性11人,女性2人で脳血管障害が,男性3人,女性11人で認知症が併存した.悪性腫瘍の既往歴のある患者が11人いたが,水疱性類天疱瘡の診断時には,いずれも治癒していた.当科入院中,新たに悪性腫瘍が発見された患者もいなかった.添付文書の副作用欄に水疱性類天疱瘡が記載されている薬剤を16人が服用していた.そのうち,10人がdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬を服用していたが,DPP-4阻害薬により水疱性類天疱瘡を発症したか否かは明らかでなかった.40人中2人は入院中に死亡し,10人は当科を退院後,他院や介護施設に移っていた.水疱性類天疱瘡は高齢者に多いのみならず,脳血管障害や認知症の併存率が高い可能性があり,地域や医療スタッフ,家族との連携を深める必要がある.
参考文献
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