icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

症例報告

Wet wrap法が有効であったHailey-Hailey病の1例

著者: 川村美保1 髙橋智子1 水谷陽子1 中野創2 清島真理子1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科 2弘前大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.23 - P.27

文献購入ページに移動
要約 75歳,女性.34歳頃より両側の膝窩・鼠径部・腋窩・肘窩・前胸部に紅斑が出現し,1983年当科を初診した.皮膚生検の結果,Hailey-Hailey病と診断し軟X線療法やステロイド外用を行った.2012年以降は近医で加療されていたが,症状悪化のため2016年再度当科を受診した.腋窩・乳房下・鼠径部・膝窩・肘窩に紅斑とびらん,右上肢に膿疱・丘疹・痂皮・鱗屑を伴う紅色局面を認めた.再度皮膚生検を施行してHailey-Hailey病と診断した.末梢血を用いた遺伝子変異検索でATP2C1遺伝子のexon 17にヘテロ接合性にc. 1429delT(p. C477Vfs3)の新規変異が同定された.抗ヒスタミン薬内服とともにステロイド外用に加えてwet wrap法を行ったところ有効であったので,今後本症の治療法の1つとなりうると考え報告する.

参考文献

1) 濱田尚宏:日皮会誌 119:315, 2009
2) Bruge SM:Br J Dermatol 126:275, 1992
3) 山本真由美,他:皮膚臨床 55:845, 2013
4) 後藤由香,他:臨皮 60:1225, 2006
5) 塩原順子,他:皮膚病診療 23:309, 2006
6) 新美美希,他:臨皮 65:400, 2011
7) Farahnik B, et al:J Am Acad Dermatol 76:551, 2017
8) Devillers AC, et al:Br J Dermatol 154:579, 2006
9) Oranje AP, et al:J Eur Acad Dermatol Venereol 20:1277, 2006
10) Janmohamed SR, et al:J Am Acad Dermatol 70:1076, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?