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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

症例報告

顆粒球単球吸着療法の併用が二次無効後のインフリキシマブ継続を可能にした膿疱性乾癬の1例

著者: 沢辺優木子1 田中周子1 千々和智佳1 川崎ゆりか1 原藤緑1 武岡伸太郎1 林耕太郎1 鎌田昌洋1 大西誉光1 多田弥生1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.35 - P.40

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要約 44歳,男性.約25年前に乾癬と診断され光線療法,外用薬にて加療開始するも,約2年半前より皮疹が増悪し当科を受診.シクロスポリン2mg/kg/日内服にて安定していたが,約2年前に38℃台の発熱と略全身に鱗屑を付着する紅斑がびまん性に生じ,一部で膿疱も伴い,膿疱性乾癬と診断した.シクロスポリンを中止しインフリキシマブ(IFX)5mg/kgを開始し,5回目でPASI 2.1まで改善した.その後も安定していたがIFX 10回目より悪化しPASI 20.8となった.IFXを6mg/kgへ増量し,投与間隔を4週間隔にしたが改善なく,IFX 12回目より週1回計5回の顆粒球単球吸着除去療法(granulocyte monocyte adsorption apheresis:GMA)を併用した.GMA施行後にPASI 7.5まで改善し,IFX投与後の効果も再び得られた.GMA施行3か月後でPASI 4.1,GMA施行5か月後でPASI 0.8まで改善し,その後も再燃はない.以上より,膿疱性乾癬のIFX二次無効症例に対してGMAの併用は有効であると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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