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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

症例報告

PET-CTで患側膝部に滑膜炎による異常集積を認めた病期ⅢC第2趾悪性黒色腫の1例

著者: 雪野祐莉子1 栗原佑一1 八代聖1 久保亮治1 安西秀美2 菊田一貴3 森岡秀夫3 川井田みほ4 舩越建1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2川崎市立井田病院皮膚科 3慶應義塾大学医学部整形外科学教室 4慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.65 - P.70

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要約 76歳,女性.左第2趾原発の悪性黒色腫に対し,転移検索目的にFDG-PET/CTを施行したところ原発巣の他同側の左膝と左鼠径部にFDGの集積を認めた.足趾離断,膝病変切除および鼠径リンパ節郭清を行った.病理組織像で原発巣と左鼠径リンパ節は悪性黒色腫であったが,膝病変はCD68陽性泡沫状細胞が増生しており,悪性黒色腫の転移ではなく,色素性絨毛結節性滑膜炎であった.術後は悪性黒色腫に対しインターフェロンβ維持療法を行っていたが,肺転移を認めたためニボルマブ投与へ変更した.下垂体性副腎不全および認知症を発症したため治療を中止したが,3年3か月時点で生存中である.FDG-PET/CTは悪性腫瘍の転移巣検索として広く使用されているが,FDG集積を認める病変として悪性腫瘍以外にも炎症疾患や感染症,良性腫瘍があり注意を要する.本症では術前の画像検査のみでは色素性絨毛結節性滑膜炎と診断できなかった.非典型的なFDG集積を認めた場合は組織診を含め追加検査が必要と考えた.

参考文献

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2) 黒田弘之:島根医学 32:12, 2012
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13) 持田耕介,他:Skin Cancer 26:323, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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