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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

症例報告

ニボルマブ開始1年3か月後に間質性肺炎を発症した進行期悪性黒色腫の1例

著者: 小林佑佳1 小澤健太郎1 米澤陽子2 爲政大幾13

所属機関: 1国立病院機構大阪医療センター皮膚科 2大阪警察病院皮膚科 3大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科

ページ範囲:P.71 - P.77

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要約 77歳,男性.背部悪性黒色腫,肺転移,多発リンパ節転移に対して他院にてニボルマブ(2mg/kg)を,12回まで副作用なく投与された.肺転移巣は縮小傾向にあったが,多発リンパ節転移が増大傾向にあったため,ニボルマブ開始1年1か月後に当科を紹介され受診した.当科での精査でニボルマブの効果はSDと判断し,ニボルマブを継続した.ニボルマブ開始1年3か月後,特に自覚症状はなかったが,定期CT検査にて間質性肺炎を認めたため,ニボルマブを休薬し,プレドニゾロン(PSL)1mg/kg/日の投与を開始した.CT所見の改善を確認してPSLを漸減し中止したが,中止後に間質性肺炎の再燃を認め,再度PSLを投与した.現在投与を終了したが,症状の再燃はない.ニボルマブによる副作用は投与期間の長短に関わらず出現することを認識し,また出現した際には十分な量のPSL治療後,早期に現疾患に対する治療の再開を検討する必要があると考えた.

参考文献

1) ニボルマブ市販直後調査結果:使用患者数:631例 集計期間:2014年7月4日〜2015年3月31日
2) Naidoo J, et al:J Clin Oncol 37, 2017
3) Nishino M, et al:Clin Cancer Res 22:6051, 2016
4) Diamantopoulos PT, et al:Melanoma Res 27:391, 2017
5) 宇原 久,他(監):悪性黒色腫の適正使用ガイド,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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