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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

症例報告

骨病変を有したLangerhans細胞組織球症の3例

著者: 勝見達也1 新熊悟1 荻根沢真帆子1 河合亨1 加畑雄大1 折目真理1 伊藤明子1 久保暢大2 岩渕晴子2 今井千速2 阿部理一郎1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野

ページ範囲:P.78 - P.84

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要約 症例1:1歳5か月,女児.頭部に脂漏性湿疹様皮疹,体幹四肢には紫斑,丘疹があり,Langerhans細胞の骨髄浸潤と,CT検査で蝶形骨の破壊像を認めた.症例2:5か月,女児.下腹部や鼠径部に点状紫斑や丘疹があり,CT検査で右下顎骨の骨溶解を伴う腫瘤性病変を認めた.症例3:5歳,女児.鼠径部および大腿内側に褐色調の紅斑,丘疹があり,CT検査で第5頸椎の圧迫骨折を認めた.いずれの症例も皮疹からLangerhans細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis:LCH)を疑い,病理組織学的検査,電子顕微鏡検査にて多臓器型のLCHと診断した.化学療法もしくは経過観察で,皮疹は改善傾向である.LCHの皮疹は多彩であり,視診だけで診断することは困難である.LCHの皮膚病変を疑った場合は積極的に皮膚生検を行い,病型を確定する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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