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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻10号

2019年09月発行

文献概要

症例報告

若年発症し急速に進行したエクリン汗孔癌の1例

著者: 日置智之1 森知花1 大原満梨奈1 神谷秀喜1 北島康雄1 満間照之2

所属機関: 1木沢記念病院皮膚科 2一宮市民病院皮膚科

ページ範囲:P.823 - P.828

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要約 35歳,男性.10年前より左背部に皮膚結節を自覚していた.初診の4か月前から増大傾向を示し,前医の皮膚生検でエクリン汗孔癌(eccrine porocarcinoma:EPC)と診断された.初診時すでに両側腋窩・左鼠径部リンパ節への多発リンパ節転移と皮膚・骨・胸膜への遠隔転移があり,化学放射線療法を施行した.化学療法(weekly paclitaxel)は全身状態の悪化により2回投与後に中止し,また癌性胸膜炎を併発したため持続的胸腔ドレナージと胸膜癒着術を施行した.放射線治療は完遂して腫瘍の増大抑制やQOL改善に一定の治療効果を認めたが,初診2か月後に死亡した.EPCは表皮内エクリン汗管由来の皮膚悪性腫瘍で,進行例においてはリンパ節転移や遠隔転移をきたすことが多い.自験例のように若年でのEPC発症は比較的稀だが,転移をきたした時点で予後不良と考えられ急速に進行する可能性があるため,注意が必要である.

参考文献

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13) 樋口実穂,他:皮膚臨床 47:681, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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