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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻11号

2019年10月発行

文献概要

症例報告

外陰部angiomyofibroblastomaの局所再発例

著者: 佐野友佑1 馬屋原孝恒1 谷口佳代子2 幸村康弘3

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2磐田市立総合病院形成外科 3磐田市立総合病院産婦人科

ページ範囲:P.883 - P.886

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要約 40歳,女性.既往に神経線維腫症1型がある.当科初診約4年前に近医で右外陰部腫瘤を切除し,病理組織学的および免疫組織化学的にangiomyofibroblastoma(AMFB)と診断された.切除断端は陽性であった.切除1年後に同部位に結節が出現し,当科を受診した.境界明瞭な下床との癒着のない約3cm大の懸垂性腫瘤を認めた.切除した腫瘍は比較的境界明瞭で,異型性の乏しい紡錘形細胞が密に増生し,線維性成分や粘液細胞の産生は認めなかった.免疫組織化学的にデスミン,α-SMA,estrogen receptor,progesterone receptorはいずれも陽性,CD34,S100蛋白は陰性であり,AMFBと診断した.AMFBは切除後再発は稀とされており,局所浸潤,再発性の強いaggressive angiomyxomaとの鑑別を要する.AMFBでも切除不十分である場合は自験例のように局所再発することがあり,再発を繰り返すことも考慮して切除に臨むべきと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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