icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻11号

2019年10月発行

文献概要

症例報告

陰囊の紅斑より診断しえた第Ⅱ期梅毒の1例

著者: 村上真依1 岡大五1 林宏明1 山本剛伸1 田中了1 藤本亘1

所属機関: 1川崎医科大学皮膚科

ページ範囲:P.899 - P.903

文献購入ページに移動
要約 30歳台,男性.初診3週間前から陰囊に疼痛と灼熱感を伴う紅斑が出現.近医でステロイド外用剤やインドメタシン外用剤を処方されたが改善せず当科を紹介受診した.外用剤では難治の湿疹・皮膚炎を考え,少量のプレドニゾロンを内服したが改善しなかった.陰囊の紅斑から梅毒を鑑別に考えて血液検査を施行したところ,梅毒血清反応検査(RPR,TPLA)はともに陽性.皮膚病理組織では表皮の肥厚とともに真皮の血管周囲にリンパ球,形質細胞の浸潤が認められた.第Ⅱ期梅毒と診断しアモキシシリンの内服を開始したところ症状は速やかに改善した.陰囊のびらんと落屑を伴う紅斑が第Ⅱ期梅毒疹の皮膚症状として出現する可能性について認識しておくべきと思われた.

参考文献

1) Wollina U:J Dermatol Case Rep 5:38, 2011
2) 玉置邦彦:最新皮膚科学大系,第12巻,中山書店,p216, 2002
3) 中村直美,加藤則人:皮膚臨床 52:1490, 2010
4) Pathela P, et al:J Acquir Immune Defic Syndr 4:408, 2011
5) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,第2版,中山書店,p528, 2011
6) McKee PH, et al:Pathology of the Skin with Clinical Correlations 3rd ed vol. 1. Elsevier Mosby, Philadelphia, p499, 2005
7) 近藤靖児,他:Jap J Veneral Disease 63:23, 1982
8) 石倉多美子,他:臨皮 11:1081, 1990
9) 小尾麗子,他:日皮会誌 112:985, 2002
10) 上埜剣吾,他:皮の科 1:414, 2002
11) 濱中裕子,他:三豊総合病院雑誌 37:61, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?