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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻12号

2019年11月発行

文献概要

マイオピニオン

疥癬と私—イベルメクチンとマゾッティ反応

著者: 和田康夫1

所属機関: 1赤穂市民病院皮膚科

ページ範囲:P.940 - P.941

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1.はじめに
 疥癬を飼ってみてわかったことがある.疥癬には免疫ができることである.以前,大滝倫子先生から,疥癬には免疫ができることを聞いていた.「私はノルウェー疥癬の人を素手で触ってもうつりませんのよ」と涼しい顔で得意げに言われていた.それを聞いたとき,私は半信半疑だった.というのも,ヒゼンダニは皮膚の角層に寄生している.人体の免疫が,そこまで察知,防衛はしないだろうと思っていたからである.けれども,自分で疥癬の寄生実験をしているうちに,ヒゼンダニが寄生しなくなってしまった.その日にヒゼンダニが皮膚に潜ったとしても,次の日までには脱落してしまうのである.脱落した部位を見ると,点状の紅斑が生じており,免疫反応が起きているのである.今は,角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の患者を,素手で触っても,疥癬がうつることはなくなった.大滝先生と同じ体質になってしまった.
 ここではヒゼンダニの飼育,水疱とヒゼンダニの関係,イベルメクチン内服後のマゾッティ反応について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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