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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻12号

2019年11月発行

文献概要

症例報告

小児の急性痘瘡状苔癬状粃糠疹に対してナローバンドUVB療法が奏効した1例

著者: 木下ひとみ1 中村吏江1 天野愛純香1 仁井谷暁子2

所属機関: 1呉医療センター・中国がんセンター皮膚科 2にいたにクリニック

ページ範囲:P.965 - P.972

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要約 10歳,男児.初診2か月前から腹部にびらんを伴う紅色皮疹が出現し初診10日前に前医を受診した.急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(pityriasis lichenoides et varioliformis acuta:PLEVA)を疑われステロイド外用剤などで加療されたが増悪し当科紹介受診となった.皮膚生検病理組織像にてPLEVAと診断し,ナローバンドUVB(NB-UVB)療法を週2回の頻度で開始し,照射開始後2週目に皮疹の新生が止まり潰瘍は上皮化傾向を示した.6週目には色素沈着となり維持療法として週1回の照射を継続した.11週目に色素沈着となった皮疹部に大豆大紅色局面が出現し,生検を行い肥厚性瘢痕と診断した.小児におけるPLEVAの治療としてNB-UVB療法は重篤な副作用の報告がなく試みるべき治療の1つであると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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