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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻12号

2019年11月発行

文献概要

症例報告

膵頭部腫瘍の診断契機となった皮下結節性脂肪壊死症の1例

著者: 張田修平1 猿田祐輔1 荻原麻里1 小野蘭1 大歳晋平1 渡辺秀晃1 末木博彦1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.991 - P.995

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要約 82歳,男性.S状結腸癌術後3年で多臓器転移を伴っていた.初診の2週間前より全身倦怠感と両下腿の皮下結節が出現した.現症:右下腿に母指頭大のドーム状に隆起する暗紅色皮下結節を2個認めた.弾性硬に触知し,圧痛を伴っていた.転移性皮膚癌,好中球性皮膚症を考え生検した.組織学的に好中球・組織球を中心とした小葉性脂肪織炎を認め,ghost-like cellを混じていた.膵酵素上昇(アミラーゼ1,619U/l,Pアミラーゼ1,611U/l)とCT上で膵頭部の腫瘤,膵管拡張がみられた.以上より膵頭部腫瘍に伴った皮下結節性脂肪壊死症と診断した.根本治療は膵疾患の治療が原則であるが,自験例では対症療法のみで軽快した.本疾患は膵疾患患者の中では稀であるが,他の臨床所見に先行して皮疹が認められる場合があり,デルマドロームとして重要である.

参考文献

1) Chiari H:Prager Med Wochenschr 8:285, 1883
2) Szymanski FJ, et al:Arch Dermatol 83:224, 1961
3) 井上里佳,他:皮膚病診療 39:377, 2017
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5) Hufhes SH, et al:Arch Dermatol 111:506, 1975
6) Zundler, et al:BMC Cancer 16:130, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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