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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻12号

2019年11月発行

文献概要

症例報告

悪性乳腺葉状腫瘍の患者に生じたpostirradiation pseudosclerodermatous panniculitisの1例

著者: 吉田春奈1 鈴木茉莉恵1 城内和史1 渡辺秀晃1 小林玲2 石田博雄3 末木博彦1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学講座 2昭和大学医学部放射線医学講座 3昭和大学医学部内科学講座腫瘍内科部門

ページ範囲:P.997 - P.1001

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要約 42歳,女性.2年半前に悪性乳腺葉状腫瘍に対し切除術・化学療法を施行されたが再発し,11か月前に放射線療法,8か月前にパゾパニブ塩酸塩投与を開始された.腫瘍内科受診日に左前胸部に硬結・疼痛を認めたため,当科を紹介受診した.左前胸部の放射線照射部に一致した,圧痛を伴う境界明瞭な紅斑・硬結を認めた.紅斑部の皮膚生検にて腫瘍細胞を認めず,小葉性の脂肪織炎であったことからpostirradiation pseudosclerodermatous panniculitisと診断した.プレドニゾロン20mg/日の内服を開始し,1週間後には紅斑は軽減したが,硬結は残存した.本症は症例数が少なく,発症メカニズムや治療法も確立されていない.悪性腫瘍の放射線療法後に紅斑・硬結を認めた場合,postirradiation pseudosclerodermatous panniculitisを疑い,生検を考慮する.

参考文献

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7) Shirsat HS, et al:J Cutan Pathol 43:444, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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