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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻13号

2019年12月発行

文献概要

症例報告

約4年間の寛解休薬後に再燃し生物学的製剤の再投与が有効であった尋常性乾癬の1例

著者: 松山美江1 山﨑文和1 岡本祐之1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科

ページ範囲:P.1065 - P.1070

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要約 76歳,女性.数十年前に尋常性乾癬と診断され,PUVA療法,RePUVA療法,ナローバンドUVB療法による治療を受けていたが,改善しないため生物学的製剤による治療を開始した.2種のTNF-α阻害薬,ウステキヌマブ使用後にエトレチナートを投与し,PASI 0となったため2011年12月から約4年間治療を中断し経過観察していた.2016年初旬に感冒を契機に皮疹が再燃したため,ウステキヌマブを再投与し,4回の治療で速やかに改善し,無治療で経過をみているが再燃はない.自験例は生物学的製剤による治療を契機として,また,再燃時の同製剤の投与により長期間無治療でのPASIクリアの状態が得られている.生物学的製剤治療の普及により,治療中断後もPASI 0が維持される症例が散見されるようになっている.このような症例の蓄積により,treatment holidayが得られる患者背景や治療手法が明らかになることが期待される.

参考文献

1) Tanaka Y, et al:Ann Rheum Dis 69:1286, 2010
2) Tanaka Y, et al:Ann Rheum Dis 74:389, 2015
3) Leonardi CL, et al:Lancet 371:1665, 2008
4) 佐藤伸一:診療と新薬 54:865, 2017
5) Pesenacker AM, et al:JCI Insight 4:e123879, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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