icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

直腸瘻を伴う仙骨部褥瘡の1例—放射線晩期障害の影響

著者: 野村友希子1 月永一郎1 大渕佳祐2 武田圭佐2

所属機関: 1KKR札幌医療センター皮膚科 2KKR札幌医療センター外科

ページ範囲:P.113 - P.116

文献購入ページに移動
要約 84歳,女性.数年前から仙骨部の褥瘡があり,往診診療等で加療されていた.2016年夏頃から摂食困難となり,栄養状態が悪化していた.9月に誤嚥性肺炎にて当院内科へ救急搬送された.入院時,仙骨部に直径6.5cm大のポケットを有する褥瘡を認め,褥瘡から膿汁の排出があった.CT検査では仙骨と直腸の間に膿瘍形成があり,直腸・膿瘍腔・褥瘡の交通を認めた.感染コントロールのため,人工肛門造設術を施行し,膿瘍腔にサンプチューブ®を留置した.サンプチューブ®を使用した持続洗浄や陰圧閉鎖療法,ヨウ素含有軟膏外用などを行った.壊死組織は消失し,感染コントロールは可能となったが,褥瘡は残存した.子宮体癌に対して20年程前に放射線治療を施行した既往があり,直腸瘻の一因と考えられた.

参考文献

1) 林 和彦,他:臨放 61:321, 2016
2) 早乙女啓子,他:東京産婦会誌 64:349, 2015
3) Haboubi NY, et al:Am J Gastroenterol 83:1140, 1988
4) 渡邉聡明,他:消外 28:91, 2005
5) 倉繁祐太:褥瘡会誌 19:481, 2017
6) 松本 晶,他:褥瘡会誌 7:677, 2005
7) 吉田玲子,他:日ストーマリハ会誌 22:41, 2006
8) 中村久美,他:日ストーマ・排泄会誌 28:155, 2012
9) 高橋由香,他:褥瘡会誌 18:369, 2016
10) 褥瘡なおそう会:治りにくい褥瘡へのアプローチ,照林社,p119, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?