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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

繰り返す腹痛と腸管浮腫を伴ったアドレナリン性蕁麻疹の1例

著者: 山本亜美1 角希里子1 山崎まりな1 天野真希1 高橋道央1 竹下八菜1 加藤恒平1 沢田泰之1

所属機関: 1都立墨東病院皮膚科

ページ範囲:P.117 - P.122

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要約 18歳,男性.初診1か月程前から,受験勉強をストレスに感じはじめ,四肢に小さい膨疹が出現するようになった.また,朝に増悪する傾向のある腹痛を伴い,通学困難となった.四肢に白暈を伴う数mm大の膨疹が散在していた.運動負荷試験,アセチルコリン皮内注射では皮疹は誘発されず,ノルアドレナリン皮内注射にて皮疹の再現を認めた.特徴的な皮疹と検査結果より,アドレナリン性蕁麻疹と診断した.また腹痛時に撮影したCTにて腸管浮腫を認め,アドレナリン性蕁麻疹に伴う腸管浮腫が腹痛の原因と考えられた.βブロッカー内服により,皮疹,腹痛ともに軽快した.アドレナリン性蕁麻疹は稀な疾患とされるが,コリン性蕁麻疹と診断されている可能性がある.周囲に白暈を伴う特徴的な膨疹を認める場合は,アドレナリン性蕁麻疹の可能性を検討する必要があると考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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