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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

関節症性乾癬患者に生じたウステキヌマブによる間質性肺炎の1例

著者: 陶守真貴子12 杉山聖子12 桑原千晶12 片山智恵子12 青山裕美12

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター皮膚科 2川崎医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.140 - P.144

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要約 61歳,男性.それまで尋常性乾癬と診断されていたが関節症性乾癬を発症した.アダリムマブ(ADA),次にウステキヌマブ(UST)で加療したところ,皮疹,関節痛が増悪したためADAを再投与した.投与中に血清KL-6値(以下KL-6)が徐々に上昇した.胸部CTの変化と呼吸器症状がなかったため継続投与が可能であった.その後二次無効になり,再度USTに変更したところ2回投与後にKL-6が再上昇し,胸部CTですりガラス状陰影が出現した.薬剤性間質性肺炎と診断しUSTを中止した.KL-6は徐々に低下し,皮疹,関節痛が再燃したためセクキヌマブを導入した.その後KL-6の増加と,胸部CTで異常は生じていない.TNF-α阻害薬に比べ,USTによる間質性肺炎の文献報告数は少ないが,投与前にKL-6高値の場合間質性肺炎を発症する可能性があるので,投与開始後定期的にKL-6の測定,胸部CTを行う必要があると考えた.

参考文献

1) Higashi Y, et al:Clin Exp Dermatol 41:88, 2016
2) 田中栄一,山中 寿:分子リウマチ治療 6:117, 2013
3) Okamoto T, et al:Respir Med 109:1576, 2015
4) Hayashi M, et al:J Dermatol 44:1063, 2017
5) Yanaba K, et al:J Dermatol 42:828, 2015
6) Kikuchi S, et al:J Dermatol 43:712, 2015
7) 武岡伸太郎,他:臨皮 70:849, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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