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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

Cutaneous syncytial myoepitheliomaの1例

著者: 光井康博12 福本隆也13 阿南隆1 村上義之4

所属機関: 1札幌皮膚病理診断科 2奈良県立医科大学皮膚科学教室 3福本皮フ病理診断科 4ミルディス皮膚科

ページ範囲:P.153 - P.156

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要約 76歳,女性.半年前より左膝内側に圧痛のある小結節を自覚し,増大してきたため,受診した.受診時,結節の長径は5mm,表面は紅色調であった.局所麻酔下に単純切除した.表皮は不規則に肥厚し,表皮直下から真皮下層にかけて,多結節状,シート状に,異型性の乏しい類円形核と淡好酸性の豊富な細胞質を持つ,細胞境界の不明瞭な細胞が増殖していた.表皮との連続性は明らかではなかった.間質には,軽度のリンパ球浸潤があった.腫瘍細胞はS100蛋白,EMAがびまん性に陽性,AE1/AE3,CAM5.2,FXIIIa,SMAが一部に陽性であり,皮膚筋上皮腫の中でも,特徴的な所見を示す,cutaneous syncytial myoepitheliomaと診断した.稀な良性腫瘍であるが,真皮を主座とする良性腫瘍であり,皮膚科医は認知しておくことが望ましい.

参考文献

1) 出口登希子,他:皮膚臨床 58:2001, 2016
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7) Doyle LA & Fletcher CD:J Cutan Pathol 38:697, 2011
8) Doyle LA, et al:Mod Pathol 28:904, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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