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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

ヒアルロン酸,A型ボツリヌス毒素注射歴のあるmultiple miliary osteomas of the faceの1例

著者: 廣瀬京1 星野雄一郎1 貞安杏奈1 渡邉荘子1 石崎純子1 安齋眞一2 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科

ページ範囲:P.163 - P.167

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要約 51歳,女性.数年前から顔面に皮疹が多発し増加傾向のため当科を受診した.生活歴にヒアルロン酸,A型ボツリヌス毒素注入歴がある.前額部,両頰部に粟粒大程度の常色の小丘疹が多発していた.ダーモスコピーでは淡紅色と白色の領域が混在し,わずかに不明瞭な線状血管があった.病理組織像では真皮中層から深層にかけて好酸性に染まる,被膜で囲まれた骨組織があった.続発性骨形成を証明できる既往歴・生活歴がないことからmultiple miliary osteomas of the faceと診断した.本疾患は本邦では稀な疾患とされているが,海外では放射線科医の中で比較的ありふれた疾患であるとの報告もある.現時点では注射を明らかな原因とする顔面骨腫の報告例はないが,将来的に同様の症例の集積がみられれば,ヒアルロン酸やA型ボツリヌス毒素などの注射歴のあるものは,続発性皮膚骨腫の診断となりうるかもしれない.

参考文献

1) 林 美穂,他:皮膚臨床 55:1484, 2013
2) Kishi K, et al:Dentomaxillofac Radiol 13:105, 1984
3) Kim D, et al:AJNR Am J Neuroradiol 38:789, 2017
4) 白川典子,他:皮膚臨床 58:733, 2016
5) 水田栄樹,他:皮膚病診療 38:719, 2016
6) 岩井信策,他:皮膚病診療 39:1173, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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